2008年05月30日

社説:自殺サイト殺人 反社会的サイトの追放目指せ

社説:自殺サイト殺人 反社会的サイトの追放目指せ

 インターネットの世界には、邪悪な魔物が棲(す)んでいるのか。ウェブサイト抜きで
は起き得ない犯罪が、次々と起きる。川崎市で今年4月、21歳の女性が窒息死した事件
は、携帯電話の自殺サイトを通じて殺害を頼まれた千葉県市原市の電気工による嘱託殺人
と分かった。女性は20万円の報酬を支払ったというが、自殺するために“殺し屋”を雇
い、雇われる人が現れるとは、誰が予測できただろう。名古屋市で8月、闇サイトで知り
合った男3人が女性を惨殺した事件が社会を震撼(しんかん)させたばかりでもある。無
縁の人を結びつけ、命をもてあそばせるネットの魔力に背筋が凍る。

 もっともネット社会から生まれた殺人は、今に始まったことではない。03年10月、
東京都中央区の会社社長が借金返済のため、自身の殺害を少年に持ちかける事件が発覚し
た後、多発している。一昨年4月には名古屋市で、一昨年12月には長野県松本市で、実
際に殺害に至る事件が起き、容疑者が逮捕された。仲間を募る自殺サイトも03年ごろか
ら目立ち出し、一昨年は91人、昨年は56人の集団自殺者を生んだ。大阪府では一昨年、
男が自殺サイトで知り合った3人を連続殺害する事件も起きた。

 インターネットが犯罪の温床となっている現状を看過してはならない。無機質なネット
による出会いが生み出す非情な事件を、二度と繰り返させてもならない。多くの専門家が
指摘するように、ネット上で匿名の情報を交換していると、モラルが希薄になり、自分が
思ってもいないことを告げて、双方が抜き差しならない状態に追い込まれる作用があるこ
とを注視する必要もある。その影響が深刻なら、ネット情報を活字メディアなど他の表現
物と同列に扱うことに疑問が生じる。インターネットの弊害について多角的な調査、研究
を進め、負の影響の拡散を食い止める方策を練らねばならない。

 はんらんする裏サイトなど公序良俗に反する情報については、まずは監視を強める仕組
みが必要だ。幼児ポルノや薬物密売などにかかわる違法サイトや、今回のような犯罪と直
結するサイトは、警察が積極的に取り締まるべきだ。対象が膨大で把握が困難とされるが、
一罰百戒の意味でも摘発に力を入れ、関係者を厳しく罰するべきでもある。ネットは匿名
で違法行為も発覚しないと誤解している向きには、捜査によって犯行が特定できることを
見せつけ、犯行を抑止することも大切だ。ネットカフェなどでの身元確認の徹底、違法サ
イト開設者の逃げ得を許さぬ徹底した捜査も求められる。

 ネット上にあふれる違法情報、有害情報は、表現の自由にとって重大な危機であるとの
認識も共有したい。不見識な規制強化が進む事態となれば、表現活動への不当な介入を招
くことになりかねないからだ。ネット監視を事実上警察に委ねている現状も好ましいとは
言い難い。今後は市民の自主的な取り組みが必要だ。民主社会を守るため、反社会的なサ
イトは市民の良識で駆逐したいものだ。

毎日新聞 2007年10月12日 0時15分



(コメント)
>反社会的なサイトは市民の良識で駆逐したいものだ。
やれるものならとっくにやってるでしょう。

>ネット監視を事実上警察に委ねている現状も好ましいとは
>言い難い。
闇社会の人間がネットを監視するよりはマシでしょう。
警察だろうが民間委託だろうが、闇との接点のある人間がその
任に当ってしまえば結局同じことです。
警察だから問題というのではなく、「誰がそれをやるのか」に
かかってくるのではないでしょうか。

ネット社会の本当の恐ろしさは正にそこにあるのです。
posted by 弱者 at 22:57| ニュース等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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