インターネットの出会い系サイトで“女性”らと連絡を取り合うために1千万円以上を不当に支払わされたとして、岐阜県内の30代男性が4日、東京都渋谷区のサイト運営会社に1200万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。愛知県弁護士会の会員で昨年結成した「出会い系サイト被害弁護団」が関与した初の提訴。
訴状によると、男性は2009年春、交際相手を探そうと携帯サイト「LOVE CHOICE」に登録し、「ちほ」という女性を紹介された。会う約束をしても、ちほは「化粧が崩れた」などとして待ち合わせ場所に現れず、男性と会えなかったのを苦に自殺未遂をしたとして、その様子を画像で送ってきた。その後、ちほの母を名乗る女性が「謝ってくれたら、これまでの利用料を返す」などと打診してきた。
こうしたやりとりはすべてサイト上で、1年余り続いた。男性はサイト利用に必要な「ポイント」の購入や個人情報の閲覧などのため、128回にわたり計1121万円を運営会社側に入金。実際にちほらと会ったことはなく、「詐欺的に暴利を得ている」と違法性を主張している。
本紙は同日、運営会社に複数回電話したが、応答はなかった。
弁護団には昨年7月以降、198人から出会い系サイト被害の相談があった。サイトで知り合った相手から金をだまし取られたり、運営会社から高額な手数料などを要求されたりと、被害形態はさまざまという。
(コメント)
出会い系で被害者がでると、必ずそんなに女が抱きたいか、とか、
援交したいのかとか、被害者はアホだとかマヌケだとか被害者叩きに
ネット上の世論は凝り固まる傾向にあります。
世論は出会い系サイトの問題点や、サクラを使ってのインチキ商法への
批判意見はほとんど出てきません。
こうした出会い系被害に関する世論は、2ちゃんねる被害に関する世論の
性質に非常によく似ています。
それもそのはず、同業者(サクラ)が上手く、出会い系サイトそのもの
の問題に世間の関心を向けさせまいと試みを行っているからです。
被害者の自業自得だという論調で被害の全容を結論付けてしまおうと、
サクラ達は常に、この手の報道があるたびに必死に言論統制を試みます。
そうすることで、サクラを使ってのインチキ商売を社会的に肯定させて
しまおうという心理学上の狙いがあります。
つまり彼等は、「こんなことはこの業界では当たり前だ」とか「サクラは
どこの出会い系にもいる」「出会い系の暗黙ルールを知らない奴が悪い」
というイメージを世論にさり気無く浸透させ、世間の「暗黙の了解」を
得ようとしているわけです。
出会い系を利用する人は、必ずセックスだけを求めている人しかいない・・
という前提のもとでしか被害者の自業自得だという論点には納得はできません。
だったら、「ここはセックス目的の男女の出会いをサポートするものであり、
それ以外を目的に出会いを求める人は御遠慮願います」とでも注意書き
しとくべきです。
純粋にコミニュティを求めている人とか、結婚を前提にガチで付き合いたい
異性を求めてサービスに登録している人だとしたら、一千万という出費は
本人の真剣さの表れとも受け止められるでしょう。
世の中、純粋であるがゆえに、不器用で無知な人は大勢います。
そうした人達を、流れ作業のようにド壺にはめ続ける連中に対しては寛大で、
それに騙された人達はバカだとかアホだとか叩きまくる下らない人々がいます。
叩いている連中と、叩かれてる連中との違いは、「知っている」か「知らない」
の違いがたまたまあっただけで、それほど本質的に差はありません。
「知らない」という状態で、被害者と同じ立場に立たされた場合、その人は
出会い系サイト被害者のようにならないという保証なんて絶対にないんです。
また、本当にその被害者がただ単にセックスしたいだけなら、一千万という
金額の使い道は、自ずと出会い系登録料以外のところに当てているはずです。
性欲を満たしたいがためだけに、高額な無駄な出費をしてました・・なんて
事情で裁判沙汰にしようなどと考える人もいらっしゃらないでしょう。
仮にそうだとしても、契約は契約です。サクラ使ってのインチキ商売は
明らかに契約違反です。
ソープランドで、客の指名したコンパニオンとまったくの別人で、しかも
男性のコンパニオンが出てきたら、この出会い系サイトの被害者を批判
している2ちゃんねるユーザーは、その状況でも納得できてしまえる寛大な
人達だということにもなります。
これは極端な例えですが、出会い系サイトのサクラ被害とは、つまり
こういうことと同じことなんです。
契約と大きくことなるのに高額なサービス料を払わされたでは、ピンク
業界で商売は成り立たないでしょう。
その客が、セックス目的だろうが、何だろうが、支払った金額に沿った
サービスを客に提供してこその風俗業界でのプロの仕事だと思います。
最後に、出会い系に登録する動機がセックス目的以外であったとしても、
こうした訴訟を起こす時点で、「邪な動機で出会いを求めていたくせに・・」
という世論が少なからず沸き起こるであろうことは、原告(被害者)も
覚悟してのことだと予想されます。
そんな中で、よくぞ裁判に打って出たものだと感服します。