「無料」とうたった携帯電話のゲームサイトをめぐるトラブルが急増している。「子供に使わせたら高額な利用料を請求された」という親からの相談が目立つ。国民生活センターは「本当に無料かどうか確認を」と注意喚起している。(大矢博之)
■請求額に愕然
今春、都内に住む20代の女性は携帯電話会社からの請求額に驚いた。「無料」だったはずが、請求金額は約3万円に上っていた。
仕事が忙しかった女性は、小学校低学年の息子を楽しませるため、携帯電話の無料ゲームで遊ばせていた。ところが、ゲームで使用する特別アイテム(道具)を得るためのくじは1回300円と有料。夢中になった息子は十数日間で100回近く有料くじを購入していた。
思わぬ請求に女性はゲームサイトの運営会社と交渉。だが、運営会社は「子供のせいにしている」と反論し、減額に応じなかったという。
■平均9万5千円
国民生活センターによると、携帯電話とパソコンの「無料オンラインゲーム」をめぐるトラブルの相談件数は、統計を取り始めた平成21年度は555件。22年度も12月14日現在で407件とすでに前年同期を106件上回っている。相談者の請求額の平均は約9万5千円にも上るという。
また、21年度にアイテム購入などの有料契約を結んだ当事者を年代別でみると、最多が10代の165件。30代が124件、20代が82件と続き、10歳未満も39件あった。
約15万円を請求されたという40代の母親からは「小学生の息子は無料と思い、私も支払い時は規制がかかると思っていた」との相談が寄せられるなど、無料と思い込んでいたケースが大半を占めるという。
■たらい回しも
東京都消費生活総合センターの木村嘉子相談員は「画面に表示される『購入』という文字は小学校低学年の子供には読めず、ボタンを押せばアイテムを取得できると思ってしまう。CMで無料とうたっているので、子供はそう思い込んでいる」と指摘する。
相談者がたらい回しにされるという問題点も。携帯電話会社は「収納代行をしているだけ」、サイト運営会社は「ゲームの場を貸しているだけ」、ゲーム製作会社は「ゲームを作っているだけ」と応じるという。
トラブルが増加するなか、大手ゲームサイト運営会社のグリーは一部のCMで「無料」という音声を取りやめた。
総務省の調査では、21年の携帯電話ゲーム市場は884億円で前年比1・7%増とほぼ横ばいだが、ゲーム内などのアイテムやキャラクター販売市場は447億円で184・7%増と急拡大している。
木村相談員は「消費者を守る制度がまだ未熟。サイト運営会社は、子供に簡単に課金できない仕組みにすべきだ」と指摘。その上で「親も『知らなかった』では済まされない。子供に遊ばせる前によく確認を」と呼びかけている。
(コメント)
やっぱりね。
>携帯電話会社は「収納代行をしているだけ」、サイト運営会社は
>「ゲームの場を貸しているだけ」、ゲーム製作会社は「ゲームを
>作っているだけ」と応じるという。
まるで包丁理論というか、闇サイトの管理人のようなことを言いますね。
IT系企業なんてどこもこんなもんです。
リスクはユーザーに全て押し付け、何かあった場合の責任所在も
あえてうやむやにして、「え? そうなんですか?」とトボケ続ける。
こういう「・・・・いるだけ」という各担当が口裏を合わせている
かのような応答をするということは、こういう問題が発生するであろう
ことは各担当も予め想定していたということです。
つまり最初からこういう問題が発生することを前提にしたビジネスを
展開しているということです。
さらにこの問題が深刻化しても、モバゲーユーザーが多くなるのだから
問題も多く出てくるのは当然・・・とお決まりのコメントをぶちまけて
逃げまくるだけです。
オイシイとこだけシッカリと頂いて、弊害等の問題は全てユーザーの
自己責任という形にしてしまえ・・という身勝手な御都合主義ビジネス。
だから自然に、彼等の言動や行動パターンは、ユーザーに対して
常に上からの目線になります。本人達は気づいていないのでしょうが。
2ちゃんねる琉こそが、ネットビジネスの基本スタンスであり、必勝法
であると勘違いする馬鹿が未だに大勢いるようですね。
この分野においては・・・
「無料」「0円」という表現をデカデカと強調する企業にロクなとこは
ありません。
こんなこと続けていると、日本のITは完全に終わりますよ。
グローバル社会とはいっても、国外のものが全ての基準だと勘違いし、
日本の風土に合わせた発展をと唱えれば、「古い考え方」「鎖国主義」などと
切り捨る癖は改められたほうがいいと思います。
一体何が柔軟な考え方で、何がグローバル的な考え方なのかを今一度、
考え直す必要があるでしょう。
グローバルにとは言っても、どこかの国の基準に合わせていることに
変わりはなく、その基準がたまたま、日本のものであったとしても
まったく不思議なことではありません。