オランダのセキュリティ企業AVG Technologiesは8月23日(現地時間)、世界のネット接続安全性に関する国別ランキングを発表した。同社の調査によると、日本は世界で3番目に安全にWebを利用できる国だという。
この調査は、同社のウイルス対策ソフトがインストールされている、世界144カ国の1億2700万台のPCのデータに基づいて行われた。期間は7月の最終週の7日間。ウイルス対策ソフトが検知・対処した攻撃の数から換算した。その結果、世界の平均では73人に1人が攻撃を受けていたという。
ウイルスやマルウェアの攻撃が最も多かったのはトルコで、調査期間中、10人に1人が攻撃を受けていた。2位はロシアの15人に1人、3位は24人に1人のアルメニアだった。米国は48人に1人で9位、中国は135人に1人で79位だった。AVGは、リスクが高い理由として、違法なサイトからのダウンロードが多いことや、インターネットカフェの普及、日常的なPCの共有などを挙げている。
最も安全な国の上位3カ国は、1位がアフリカのシエラレオネ(696人に1人)、2位は同じくアフリカのニジェール(442人に1人)、3位が日本(404人に1人)だった。ただし、アフリカの2カ国はまだブロードバンドが十分に普及しておらず、インターネットの利用も少ない。従って、実質的には日本が最も安全な国といえるだろう。インターネット利用者が多く、ブロードバンドも普及しているにもかかわらず日本が安全な理由として、AVGは日本のユーザーが安全とリスクについての意識が高いことを挙げている。
(コメント)
ネット上の脅威はウィルスや不正アクセスだけではありません。
高性能なファイヤーウォール機能が標準装備されている今時の対策ソフト。
それが主流となっている現在において、ウィルスや不正アクセスによる
被害を受けても、その被害を認識しているユーザーは少ないでしょう。
今は、ウィルスを相手のパソコンに忍ばせなくても、第三者による
個人情報の盗み見は容易にできてしまえるでしょう。
日本ではスニッフィングという盗聴手法もよく用いられているようなので、
今更ウィルスを仕込んで不正アクセスという旧来の方式を行う悪徳業者は
少ないと思います。
スニッフィングを防ぐ方法は無いことも無いのですが、基本的には
一般人レベルでは経済面などの理由で厳しいと思います。
ウィルス脅威の本質は発見された数や種類ではなく、「質や内容」だと思います。
未知のウィルスで、局地攻撃を目的にしたものであった場合は、どんなに
優れた対策ソフトでも発見は不可です。
現に、日本ユーザーをメインに標的としたウィニー関連のウィルスには
市販されていた対策ソフトでは無防備でしたから・・
大手のシマンテック社がそれに対応したのは被害が拡大化して数ヵ月後でした。
>日本が安全な理由として、AVGは日本のユーザーが安全とリスクについての
>意識が高いことを挙げている。
セキュリティ意識が高いことは間違いないでしょうね。
ただ、対策ソフトは安いものではありません。ユーザーの経済力の値が
高いか低いかでも、その国の安全性の平均値も変わってくるでしょう。
また、一般ユーザーがいくら頑張っても超えられないセキュリティ領域
というものも御座います。
日本の場合は、一般ユーザーのセキュリティ意識は高いことは紛れも無い
事実でしょう。2ちゃんねるファミリーがあれだけ天下取ったような勢いで
暴れまわってきたのですから、嫌でもユーザーの危機意識は高まります。
しかし問題は、ISP等の業者の危機管理意識が低い・・・というよりも、
あえて隙間だらけのセキュリティしか施さない点でしょうか。
少なくとも、私の目にはそのようにしか映っておりません。
どこのIT系企業も、そのセキュリティホールを埋められるだけの経済的、
技術的水準は十分過ぎるほど満たしているはずなんです。
なのになぜ、そういったサービスを提供しないのか、非情に疑問です。
ある部分でのセキュリティホールを埋めると何処かの誰かが目くじらを
立ててくるのでしょうか。