今年上半期(1〜6月)に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は382件(昨年同期比27.3%増)、18歳未満の被害児童は218人(同51.4%増)で、いずれも上半期の統計を取り始めた00年以降で最多となったことが警察庁のまとめで分かった。昨年上半期に最多となった児童虐待事件は、死亡した児童が11人(同62.1%減)と大幅に減少した一方で、事件自体は157件(同3.1%減)と高止まりしている。【千代崎聖史】
警察庁によると、児童ポルノ事件で摘発されたのは289人(同53.7%増)で、やはり過去最多。被害者の内訳は、中学生106人▽高校生71人▽小学生33人−−などで未就学児童も2人いた。児童買春事件と被害者数も3年ぶりに増加に転じ、557件(同7.3%増)と435人(同1.9%増)だった。
児童虐待事件の被害児童は164人(同1.2%減)。女児が100人を占め、年齢別では12歳と15歳が各17人で最も多く、次いで1歳未満の15人だった。傷害や暴行などの身体的虐待が118人、強姦(ごうかん)や強制わいせつなどの性的虐待が41人、育児の怠慢・拒否が5人だった。
死亡した11人の状況は、殺人5人▽傷害致死4人▽保護責任者遺棄致死と逮捕監禁致死各1人だった。容疑者の被害児童との関係では実父が48人で最も多く、次いで実母47人▽養・継父32人▽内縁の父25人−−などとなった。
一方、上半期に逮捕・書類送検・家裁送致された14歳以上20歳未満の少年は7年連続で減少し、4万923人(同1.7%減)。殺人は減少し、24人(同7.7%減)となったが、万引きが1万3726人(同8.2%増)で5年ぶり、強盗は368人(同19.1%増)で6年ぶりに増加に転じた。補導された14歳未満の「触法少年」も万引きの増加を反映し、8112人(同2.9%増)で4年ぶりに増加した。
毎日新聞 2009年8月6日 11時20分
※状況説明用資料(引用)